2006年放送のスーパー戦隊

世界に眠る強大な力を持つ秘宝
「プレシャス」を収集し保護する民間団体「サージェス財団」の秘密チーム、それがボウケンジャーだ。

●主要メンバー
「明石 暁」
 ボウケンジャーのチーフ。冒険一筋の、熱き冒険者ボウケンレッド。
「伊能 真墨」
 元トレジャーハンター。迅き冒険者ボウケンブラック。
「最上 蒼太」 
元スパイで女性に甘い、高き冒険者ボウケンブルー。
「間宮 菜月」 真墨と共に行動していた元トレジャーハンター。記憶喪失の、強き冒険者ボウケンイエロー。
「西堀 さくら」
 冷静沈着なボウケンジャーのサブチーフ。深き冒険者ボウケンピンク。

「高丘 映士」
 アシュの血を持つアシュの監視者。追加戦士の、眩き冒険者ボウケンシルバー。

●敵
プレシャスを狙う秘密組織
「ゴードム文明」「ジャリュウ一族」「ダークシャドウ」「クエスター」


●個人的見所
何年か視聴から離れていた私をスーパー戦隊に
呼び戻した思い出の作品です。
切っ掛けは
劇場版「轟轟戦隊ボウケンジャー 最強のプレシャス」を偶然観て、劇中のキメである「名乗り」のカッコ良さに魅かれた事です。というわけで、名乗りは見所の一つ。変身時のBGMがまた心躍るカッコ良さ!変身シーンから名乗りまでセットで楽しめます。
ちなみに変身アイテムは、
冒険携帯アクセルラー。レディ!ボウケンジャー、スタートアップ!
そして、西堀さくら(ボウケンピンク)役の
「末永 遥」さんの凛とした美しさが堪らない魅力です!コスチュームもミニスカでピンクの基本!
話数 タイトル 感想
12 ハーメルンの笛 子供の生命力を使い強大な力を引き出すプレシャス「ハーメルンの笛」がダークシャドウに奪われた。奪還作戦の最中ブラックとブルーが笛により操られ、レッドは重傷を負う。アクセルラーも破壊され変身出来ないさくらは菜月と共に敵のアジトに強行するが・・・
ピンク=
さくらメイン回。さくらが元自衛隊特殊部隊という設定が明かされる。変身出来ないので、生身であるさくらの活躍が十二分に堪能出来ます。
15 水の都 未知の言語で書かれた謎の文書が発見された。しかし、その一部をジャリュウ一族に奪われてしまう。明石はその戦いの最中ジャリュウ一族の戦士「ラギ」に奇妙な違和感を覚えるのだった。ラギは伝説の水の都に住んでいた水の民の変わり果てた姿だったのだ。そして、水の都の長老から文書には水の都を復活させる為の「アクアクリスタル」の位置が記されている事を知らされる・・・
ラギは、アクアクリスタルを見付け故郷を復活させる為に水の民の証しと引き換えにジャリュウ一族から強い身体を与えられたのだった。その思いに打たれた明石はラギと共にアクアクリスタルを見付ける冒険に出発する・・・

ラギの自己犠牲行動が熱いストーリー。そして、冒険を通し敵と打ち解ける
漢臭さが堪らない。感動的なラストシーンはスーツアクターと声優さんの演技に泣かされます。
16 水のクリスタル
20 新たなる巨人 新たにボウケンシルバーとしてボウケンジャーに加わった高丘映士だったが、他の5人と仲間になる事は拒絶するのだった。それは自分に流れるアシュの血を憎んでいる為だった。しかし、菜月からアシュの母親であったケイの形見を受け取った映士は、仲間と共に冒険する為に戦う事を決意するのだった・・・

映士は人間とアシュの血をひく特異な存在。その為登場から
シリアスな展開が続いていたが、この回がトドメ。過去を捨てたい映士に過去の無い菜月が問いかける「冒険って何だか判る?未知の事に挑む事だよ。仲間を作るって英ちゃんの冒険だよ!」の言葉が重い。菜月、ヤル時はヤリます!
そして、母の想いに気付いた映士が戦う決意をするシーンは
涙々!演じる出合正幸の演技が素晴らしい!シルバー人気出るぜ!と感じさせる演技でした。こういうシーンで泣くのは大人は当り前。では、当の子供はどうなのだろうか?意味は判らなくても、人として大切な事を感じ取る事が出来るのではないだろうか?子供だけにこういった番組は情操教育に一枚噛んでいる、と言えるのではなかろうか?
22 ソロモンの指輪 美術館でプレシャスの捜査をしていた「ピンク」「ブラック」「イエロー」。そこへ現れたダークシャドウ「ズカンガミ」によってブラックとイエローが動物に変えられてしまう。ダークシャドウは、ズカンガミによって動物に変えた人間をソロモンの指輪(動物と話せる様になるプレシャス)で動物軍団に仕立て上げようとしていたのだ。戦闘の最中レッドまでもが動物に変えられてしまう、がソロモンの指輪は取り返すのだった。サブチーフさくらは綿密な計画でダークシャドウとの交渉に挑むが・・・

ストーリー的に特に観るべき所はない回だが、見所はラストカット(ホントに最後の最後)でさくらが画面に向かい
ウインクするカット。これがめちゃくちゃカワイイ!普段クールな表情が多いだけにこのギャップが堪らんです!さくら萌えの回です。
24 初音の鼓 蒼太とさくらはハザードレベルの低い鼓を戻すべく神社へと向かっていた。一方ミュージアムで謎の少年から「宝を見つけて欲しい」と頼まれた菜月は、少年から教えられた街へと急ぐのだが、少年の宝と鼓には意外な接点があったのだった・・・

菜月メイン回。他のメンバーが本気にしない幼い少年の宝を必死で見つけ出そうとする菜月の行動がメインだが、そこは菜月だけにハチャメチャな展開に。一人で轟轟合体をしたり(別の意味で)ヤル時はヤル菜月が面白い。この行動力はさすが強き冒険者、と思えなくもない。
メインの戦闘もハチャメチャ。小さい敵を仲間毎アルティメットダイボウケンでなぎ払ったり、倒れ込んで
押しつぶしたりとやりたい放題。操縦者とリンクしているコミカルなダイボウケンの動きも注目です!
日本民話が元のストーリーの様で、ラストはしんみりと良いオチが付いてます。息抜きの回だが、楽しめるストーリーです!
25 禁断の果実 ガラクタから生み出された頭の悪い「アクタガミ」は、食べた者に知恵を与えるプレシャス「知恵の果実」を食べ、天才に。己の利益しか考えないダークシャドウから足を洗い、ボウケンシルバーと接触するアクタガミ。だが、知恵を得過ぎた彼は地球を汚す人間を滅ぼそうと動き出してしまった・・・

落ちこぼれが突然天才になり周りの人を唖然とさせる展開は気持ちの良いモノだが、美味い話には裏があるモノで、この果実は時間制限があった。更に、裏切ったダークシャドウにアクタガミが操られるという切ない展開になる。
そして、最後はもとのおバカなアクタガミに戻ってしまい、映士との友情も全て忘れてしまう、という
「頭の中の消しゴム」的オチでしみじみして終わる。
映士は恐らく己のアシュの血にアクタガミの孤独(落ちこぼれ時にしろ天才時にしろ)を重ね合わせたのだろう。アクタガミと友情を育むのだが・・・
アクタガミの行動はある意味正しいのだが、この皮肉が子供に判るだろうか?
深読みすると考えさせられるストーリーである。
映士メイン回は良い話が続いている。
26 ガラスの靴 女性が突然踊りだし、その後昏睡状態になる事件が続発。現場に残されたガラスの靴を分析するボウケンジャーだが、さくらが靴を履いてしまい・・・

さくらメイン回。シンデレラがモチーフのストーリーだが、王子様が女性を精神世界で囲っているという、本当は怖い系のお話。王子には憧れるが、それは自分で捕まえる、と言い切るさくらは流石です!媚びないさくらの姿が堪能出来る回です。
27 風水占いの罠 地脈を操り風水を固定するプレシャス「風水羅盤」を手に入れたジャリュウ一族。奪還に向かうボウケンジャーだったが、羅盤により明石の風水が最悪状態で固定されてしまった!次々に不運に見舞われる明石だが、他のメンバーからの幸運のお守りを信じ敵に立ち向かってゆく!

コメディ回。普段冷静で頼れるチーフである明石が、ドリフ的不運に連続で見舞われる様子が面白い。余りの不運に他のメンバーが幸運のお守りを渡すのだが、妙なものばかり。徹底しているのは変身後も妙な幸運のお守りを身に付けている事。仮装状態で戦うボウケンレッドの姿も楽しめます。
明石はコメディ回では弄られるキャラの様で、
32話でも・・・
31 亡国の炎 究極のエネルギーになり得るプレシャス「亡国の炎」を狙うクエスターが、プレシャスの眠る山を結界で覆った。高丘流の秘術で結界を破るシルバーと共に結界内に乗りこんだピンクだったが・・・

ある意味水と油の様な正確のさくらと映士がコンビを組む。両者共に本音を言い合えない為に反発しているが、相手を思いやる気持ちは共通していた。映士の隠された優しさ(水臭さ)が判った時、普段クールに感情を押し留めているさくらが
絶叫する、というさくらの意外な一面が観れます。感情を隠したい時やけ食い(パフェ)するさくらも違った意味で意外な一面で面白い。さくらが西堀財閥のお嬢様である事も明かされます。
32 ボウケン学校の秘密 ダークシャドウが開いたボウケン学校に生徒として潜入したブルーとイエロー。シルベガミを使い入学者を冒険者に教育するダークシャドウだが、その真の目的は「光の船」というプレシャスを手に入れる事だった!

明石弄られ回その2。というのも、ボウケン学校に潜入する為にレッド・ブルー・イエローが入学試験を受けるのだが、レッドだけ不合格。判り易く落ち込む明石をブラック・シルバーが弄りまくる。曰く、明石から冒険を取ったら何が残るんだ?流石にさくらは庇うが、苦笑い気味・・・このオチは、風のシズカが合格者の受験番号を間違えていた(明石は実は合格していた)というもの。この事実が判った時の明石の立ち直り方も笑えます。コメディ演技もイケる高橋光臣!
あと、風のシズカの
女教師コスプレもポイント高し。流石の山崎真実ちゃんです!
34 遥かなる記憶 レムリア人である事に目覚めた菜月は、クエスターとジャリュウ一族に操られ、レムリアの太陽にエネルギーを注入する。しかし、それは自らの命を削る行為だった。責任を感じた真墨は単身菜月を救いに敵のアジトに乗り込む。絶体絶命の時仲間が新ビークル「ゴーゴーボイジャー」と共に現れた!

前回(33話)でその正体が明かされた菜月。そして新ビークルが登場した所でこの回に続いた。良いお話ではあるがストーリーは
置いておいて、この回の目玉は何と言っても新ビークルゴーゴーボイジャーの超絶轟轟合体ダイボイジャー!である。まさかの戦艦が変形。べらぼうな火力で敵を粉砕します。カッコいいぜ!しかし、何体ロボットあるんだ?お父さんが大変だぞ!
36 鬼の金棒 クエスターに「山砕きの金棒」というプレシャスが奪われた。呆然とするボウケンジャーの前に川から大きなが流れてきた!中から男の子が出てきて・・・

桃太郎がモチーフのストーリー。半分コメディ調で話が進みます。というのも、桃から生まれた男の子は最初に見た映士を「お爺さん」、明石を「お婆さん」と呼んでなつく。。子育てにキビシい映士と優しい明石という構図。面白いのは、明石がお婆さんと呼ばれる事で女性らしい仕草になっている事。この演技は上手いです!
それにしても他のメンバーもお伴の役を担わされるのだが、
さくら姉さんが何故か「きび団子」・・・(苦笑)
ダイボイジャーをも倒す山砕きの金棒を素手で受け止める(桃)太郎は流石に
メルヘンだが、誰もが知っている昔話がモチーフなのでこうなるのは必然か?
37 憧れの芸能界 さくらメイン回!大物芸能人「丹原」が持つ指輪は危険なプレシャスだった。何とか本物を回収する為丹原に近付くミッションが展開される。それは、さくらがマネージャー見習いとして丹原に接近するというもの(理由は丹原の好みに一番近いから・・・)。我儘な丹原に手を焼くさくらだが、ひょんな事から新人アイドルとして丹原に単独接近出来るチャンスが巡ってくる・・・

仕事として菜月の様な明るさを演技するさくらが楽しい!そして、お約束のアイドル映像を仲間からからかわれるというオチ。さくらメインはギャップが大きい程盛り上がります!
42 クエスターの時代 クエスターが生み出した究極生命体「ホムンクルス」の前にダイボイジャーまでもが敗れた。サイレンビルダーで自爆を図ろうとする暁。そして、石化した映士は・・・?

クエスター編の最終回。ネガティブ・シンジケートの一つが消え、ここから最終回に向けて怒涛の展開が始まります。(まぁ、43話は一休みですが・・・)
この回はクエスター編という事で映士がフィーチャーされています。次元の狭間で母親の幻影と対峙する映士。幻影を打ち砕く為に本物の母親の幻影が現れ映士に力を貸す。
映士と母親の絡みのドラマは何処を観ても泣けます。
そして、ラスト。クエスターを倒した映士は彼等の為に
を作ります。アシュ編から続く長いクエスターとの戦いのラストを飾る名シーンとなっています。
48 恐怖なる大神官 全てのプレシャスを飲み込み強大な力を手に入れようとするガジャ。残りのプレシャスを守る為パラレルエンジンを停止させるミスターボイス。これにより変身出来なくなったボウケンジャー達。行方不明の明石の安否は?闇と戦う真墨は?
パラレルエンジンを改良し現れた明石の元にボウケンジャー全員が集結する。そして新たな力を得、ボウケンジャー自身がプレシャスとなりガジャの野望を阻止する!

大団円を迎えるボウケンジャー。最終回前まで明石・真墨が抜けているという状態で物語が進行。そんな中、真墨を説得する菜月が良い感じ。映士の時然り、締める時は締める菜月は可愛い奴である。
最後の敵「ガジャドム」を迎え撃つ際、全員
素での名乗りを披露。若干ぎこちないが(足場が悪いせいだろう)、カッコ良く決まっています。

明石が宇宙へ旅立つ事になり、ボウケンジャーのリーダーは真墨に。そして明石にこっそり(?)ついてゆく
さくら。ボウケンジャーの冒険は果てなく続く!
49 果て無き冒険魂
<楽しめたエピソード>
轟轟戦隊 ボウケンジャー
全話視聴を終えて・・・

スーパー戦隊シリーズは基本的に低年齢層向けの番組だが、シリーズを重ねこの轟轟戦隊ボウケンジャーで
30周年。ここまで続いていると初代ゴレンジャー世代がとなり視聴する側も世代交代している。そこで、かつての親も一緒に視聴出来る様に様々な工夫が凝らされている。

子供・大人両方が観て納得出来る作品は難しいだろう。このボウケンジャーは全体の雰囲気から少し大人向けの作品の様に感じる。それはボウケンジャーのメンバーが大人びているからだ。敵も一つの組織ではなく、単純に憎むべき敵では無い所も要因だろう。
一方で多数登場するビークルは子供向けだ。しかも殆どのモチーフが働く車で子供達の喰い付きを誘っている。

重厚なキャラと設定、多数の合体メカという硬軟の融合が、世代を超えて視聴に耐える作品に仕上がっていると感じる。そして、物語の根幹をなすテーマである冒険。即ち
挑戦する心を子供達に諭す設定で安心して観れる作品となっている。

最後に、末永 遥さん演じる
「西堀さくら」(さくら姉さん)、愛してるZE!

<了>